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3D プリンターを考え付いたのは、実は日本人なのです。

3D プリンターとは プリンターといえば、パソコンで作成した文書や写真などを2次元(2D)の平面である用紙にインクを塗布して印刷 する機械です。ご家庭にあるプリンターを、あえて同じように表現するならば2Dプリンターとなります。一方、3D   プリンターは、2次元の平面ではなく、3次元の立体の造形物を作成することができるプリンターです。

その仕組みはシンプルです。立体を輪切りにして、重ねているだけです。従って、2D プリンターに高さ方向の動き を加えたものとイメージして頂ければ良いと思います。

 

 




D のプリンターの材料はインクですが、3D プリンターは一般的に樹脂(プラスチック)が使われます。造形する方 法には色んなタイプがあります。例えば、家庭用として主流の3D プリンターは溶けた樹脂(プラスチック)を固めな がら印刷します。

 

D プリンターで造形するためには、3D 形状を作るためのパソコンのソフトが必要となります。CG ソフトや3DCAD を使ってパソコン上で3D  の形状を作成します。

 

パソコンで作成した3D  の形状を、3D  プリンターに送信することで印刷が可能となります。

 

 

パソコンで3D の形状を作ることができれば、雑貨、スマートフォンのケース、プラモデルの部品など、自分が欲しい ものをなんでも作ることができます。複雑な曲面を持つ形状を作成するには技術を必要としますが、スマートフォン のケースのような単純な形状であれば、少し勉強すれば誰でも作ることができるようになるでしょう。

 

また、自分で作ることができなくても、3D データを無料で配信しているサイト等もあるので、そこから好きなデータを ダウンロードして、ご自宅の3Dプリンターで出力することも可能です。

さらに、ご自宅に3D プリンターがなくても、お願いすれば印刷してご自宅に送ってくれるサービスもあるので、はじ めはこれらのサービスを利用してみるのも良いでしょう。
 



3D プリンターの歴史

「3D プリンター」は、もともと工業用として、自動車や家電製品のサンプルなどを試作するために利用されてきまし た。特許が切れたため、低価格化が進み近年急速に普及してきています。

1990年中頃の価格は1000万円以上する高価な装置でした。

また、その頃は「3D プリンター」という言葉ではなく、ラピッドプロトタイピング(RP)と呼ばれていました。ラピッドプロ トタイピングとは早く(Rapid)試作する(Prototype)という意味です。個人や零細企業が導入するには敷居が高い状 況でした。多くは大企業の商品開発部門や試作を専門とする業者等で導入されていました。


3D プリンターは誰が考えたのか?

D   プリンターを考え付いたのは、実は日本人でした。  

 

1980年に名古屋市工業研究所の小玉秀男さんにより開発されたのがスタートです。小玉氏は特許を出願しました が、国内で実用化に興味を持つ企業が現れなかったそうです。出願した特許は小玉氏が審査請求を忘れたままに 留学しており、その間に出願審査請求の期限である7年が過ぎたため失効しました。

 

ちょうど審査請求権が失効した1987年にアメリカのチャック・ハル氏が3D プリンターの基本特許を取得し、その後、 世界最大の3D プリンターの会社である「3D Systems」を創業することになります。

 

日本は特許大国と言われ、世界の10分の1を占めており、年間の出願件数は約40万件にのぼり、アメリカの約2 倍近くの特許を出願しています。ところがその3分の1は使用されていない状況です。日本における特許出願の目 的は競合から防衛するためのものが多いようです。

 

このように日本は多くの特許を所有しているにも関わらず、事業に活用しきれていないのは残念なことです。 アメリカでは特許を上手に活用して、新しいビジネスを展開していく企業が多く生まれるようです。

D  プリンターの世界で有名であるストラテシス社では、3D  プリンターの特許を取得して事業を展開しています。19

80年後半に熱溶解積層法(FDM)という造形法の特許を取得し、これが現在の主流の造形法となっています。

     熱溶解積層法(FDM)は樹脂を熱で溶かして積層する造形方法です。 

ストラテシス社のカタログより

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